旬感食材

毎月2回、旬の食材を取り上げて
ちょこっとしたうんちくをご紹介。

●第2回 今注目!真夏の深紅!

百日紅夏に花をつける「百日紅(さるすべり)」。その名の通り紅色の花をつけます。既に枯れてしまったかのように見えるこの木の幹や枝からは想像もつかない情熱的な色。見ようによっては「生」や「性」への執着が見て取れる少しエロティシズムさえ感じさせる色ですが、何はともあれ夏のパワーを感じさせる色です。

それにしても我が国は色の名前がいかに多いことか。赤い色に関してだけでも、この紅色だけでなく朱色に緋色、茜色に柿色などなどなど。日本人は色に対して実に敏感な国民なのです。


トマトところで、この柿の文字を戴く『唐柿』と言われる野菜をご存知ですか?確かにこの野菜も夏の太陽の陽射しを跳ね返す立派な赤い色をしています。正解はと言いますとトマトです。それにしても今、このトマトの赤い色が大変注目されていますね。トマトの赤い色の素はリコピンと呼ばれる色素ですが、このリコピンには抗酸化作用があり、生活習慣病予防に期待されているからなのです。
またリコピンには、紫外線によって生じるシミの素であるメラニンの生成を抑えて美肌対策にも役立つと言うことですから、女性の夏の必須野菜と言えるかもしれません。

ところで、誰しも一度はもぎたてのトマトをグジュリと丸かじりしたことがあるのでは?刺すような陽射しの下、喉の渇きを潤し、少しの甘味と少しの酸味を与えてくれるとともに、何とも言えない日本の夏の味がしませんでしたか?それもそのはずなのです。管理栄養士の徳田泰子先生はこう説明します。「トマトには日本人に大変馴染みの深い昆布に含まれているグルタミン酸と言うウマ味成分が昆布同様豊富に含まれているからなのです」
なるほど!そう言うことだったのか。トマトはもう「TOMATO」でも「トマト」でも、もちろん「唐柿」でもなく、平仮名で書く「とまと」が日本では一番しっくりするなぁなどと思いながら、また一口もぎたての「とまと」を一口グチュリと丸かじりをすると、まぁ美味しければ結局どれでもいいやと思う気怠い夏の昼下がりなのでありました。

(By エッセイスト・KUNI61)

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