旬感食材

毎月2回、旬の食材を取り上げて
ちょこっとしたうんちくをご紹介。

●第3回 男は鱧を目指せ!

鱧突然ですが「鶴」は何故「つる」と呼ぶのでしょうか?落語ではこう回答しています。「ツ〜と翔んで来て、木の枝にルッととまるからだ」と。では、消費量が関東の10倍と言われる程の関西の夏の代表的味覚「鱧」は何故「はも」と呼ぶのでしょうか?同じく落語的に解説をすれば、あまりの美味しさに「ハッ〜」と息を大きくついた後「MORE」と呟くからなのです。どうです?なかなかの回答でしょ!

しかし、通説では「食む」「喰む」から来たと言われています。なので「鱧」は「歯魚」とも書くのです。


歯魚なるほど。確かに鱧の顔を見ると大きな口に立派な犬歯を持っています。実際エビやカニ、小魚やイカ・タコまでもバリバリ、グワァシグワァシと食べ、時には漁師の腕にまで噛みつきにくると言います。
それだけの大食漢なだけに、鱧自身も栄養が豊富。管理栄養士の徳田泰子先生はこう説明します。「鱧は他の白身魚に比べるとビタミンAや葉酸を多く含んでいます。特に葉酸は赤血球を作るのに必要不可欠な栄養素で、女性の貧血対策には非常に良い食材と言われているのです」と。
こう言う輩って人間界にもいますよね。怖い顔をしていて、立ち居振る舞いも乱暴で、特別甘い言葉を囁くわけでもないのに、女性からの受けが良い男性。女性はそうした男性が実はお腹の中は真っ白で汚れがないことを知っているのです。


鱧食材実際鱧も骨切りを施した後熱湯に通すと、プリッと反り返って、まるで白い花のようにその身を開くのです。その美しいこと、淡いこと、そして美味いこと。う〜ん、やはり男も「鱧」のようにならなければならないのか。
ある本によりますと「は」の字の発音は「儚い発音」だと言います。
「は」と出した息は口元にほんの刹那の熱さを感じさせた後、はらりと消えていくのだからと。なるほど、それでか!ボクが「鱧のような男になるぞ」と宣言しても、誰も関心を示さなかったのは。
ボクに関心がないのではなく、言葉が儚く消えただけ。
きっとそうに違いない。きっとそうだ。なぁ鱧よ、そう信じようではないか。

(By エッセイスト・KUNI61)

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