旬感食材

毎月2回、旬の食材を取り上げて
ちょこっとしたうんちくをご紹介。

●第16回 苺スプーン

苺スプーン 先日、ようやく見つけました。
百貨店の食器売り場にズラリと並べられた数多くのスプーンの中で、ただ一種類あったのがこれです。
その名も「いちごスプーン」。懐かしいなぁ。
このスプーンで苺をつぶし、お砂糖をかけ、牛乳を入れて少しだけ掻き回して食べる。幼い頃の最高のデザートでした。
苺のつぶし方には皆こだわりがあって。祖父は完全制圧派で、母は原型とどめおく派だったかと。

しかし私が子どもの頃使っていた「いちごスプーン」は、もう少し先が丸かった記憶があります。

苺 なになに、貴方もそう思われる。と言う貴方は大阪の人ではありませんね?生まれは東京!やっぱり。当たりましたね 。
何故分かったか、ですか?答えは簡単です。この「いちごスプーン」は関西ではあまり使わないからですよ。ですから、大阪の百貨店にはたった一種類しか置いていなかった。
販売員も「東京のお店であればもう少し種類があるのですが」と頭を下げていましたよ。

今度は、何故大阪では「いちごスプーン」を使わないのか、ですか?これも答えは簡単。苺をわざわざ潰して、砂糖や牛乳をかけて食べなくとも、そのまま頬張るのが一番美味いのを大阪人は皆知っているからですよ。

では、何故私がわざわざそうして食べていたか、ですか?これまた答えは簡単。
大好きな祖母が東京の人で、苺はこうやって食べるものだと言っていたからですよ。

苺 苺と砂糖と牛乳の味はそのまま祖母の思い出へと繋がります。
文字通り甘い甘い思い出です。
白い割烹着と真っ赤な苺。誰よりも優しかったおばあちゃん。
苺は栄養も豊富で、母に何ら遠慮する必要がなかったことから、祖母はこの季節になれば「苺のグチュグチュ」を私によく与えてくれたのだと思います。

実際、管理栄養士の徳田泰子先生はこう言います。
「苺の赤い色は、ポリフェノールの一種でアントシアニンを含み抗酸化作用があります。またビタミンCも多く風邪予防に。さらに食物繊維のペクチンを含み、整腸作用もあるのです」とのことです。

どうされました、目に涙を溜められて?お母様やお祖母様のことを思い出されたと。
確かに。苺には、ほら「母」が必ず付いているのですから。

(By エッセイスト・KUNI61)

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