旬感食材

毎月2回、旬の食材を取り上げて
ちょこっとしたうんちくをご紹介。

●第19回 「優しく抱かれて」

そら豆仮面ライダーの敵・ショッカー。そのショッカーの戦闘員たちが発するのはいつも「イ」のみ。果たしてその「イ」にはどんな意味があるのかと長年バカバカしくも思ってきたものの、「イ」の一文字で意味が変わる場合もあるのだから、やはりそれなりの意味はあるのだろうと気づかされた。

例えば「抱く」と言う言葉。貴方は、この字を何と読む?
「だく」か「いだく」か?そうなのである。「抱く」の表記で「だく」とも「いだく」とも読める。ではその「だく」と「いだく」で同じ意味かと言うと、そうでもない。確かにどちらも「腕でかかえるように持つ」と言う意味が一番に来るが、「だく」には「男性が女性と共寝する」であるとか「人を巻き添えにする」と言った意味が続く。
一方「いだく」には「ある考えや感情を持つ」、そして「しっかり守る」と言う意味が続くのだ。

そら豆なるほど、そう言われれば、自然と使い分けていたかもしれない。「イ」の一文字が付くか付かないかで意味が随分変わるのだ。
しかし何故そうしたことが気になったか?
それは「そら豆」のせいだ。今が旬のそら豆。そのそら豆は白い綿のような繊維が敷詰められたサヤに抱かれている。これを「だかれている」と読まれると、なんだかそら豆の悪だくみに加担しているようで嫌だな。ここは「いだかれている」と読んで欲しいと思ったから。だって、そら豆は本当にいい奴なのだから。

管理栄養士の徳田泰子先生はこう解説する。
「栄養豊富な植物性のたんぱく質・利尿作用や血圧の調整に役立つカリウム、さらに骨粗鬆症対策や歯の健康に役立つマグネシウム、そして貧血対策の鉄分、またエネルギーの代謝に役立つビタミンB群、さらにさらにお肌を守りストレス対策にも役立つビタミンCなど実に様々な栄養素を含む食材なのです」と。

そら豆どうだ!いい奴だろう。昭和天皇の侍従長・入江相政さんはこう言ったそうだ。
「そら豆とビールは5月場所のさじきが一番うまい」と。
そうなのである。そら豆はショッカーがイ・イっ!のである。
おっと、誤変換!
そら豆は初夏が良いのである、本当にィ!

(By エッセイスト・KUNI61)

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