旬感食材

毎月2回、旬の食材を取り上げて
ちょこっとしたうんちくをご紹介。

●第20回 「父子裁判」

今回取り上げる旬の食材はカツオだ。貴方は思うだろう?
ならば今回のコラムは「サザエさん」にちなむ内容だろうと。
その通り!しかしだからと言って決して明るい内容ではない。 かつお片身

タレントのテリー伊藤が言っていた。「サザエさんを見て、悲しいと思う子供たちもたくさんいるんですよ」と。

そうなのだ。家族の温かい触れ合いを描くアニメと比べて現実の我が家のあまりの“冷たさ”“コミュニケーションの希薄さ”そもそも家族が揃っていないことに涙する子供も確かにいるに違いない。


カツオを叱りつける波平の上気した顔を見て「ボクもあんな風に愛情を持って叱って欲しい」と羨む子供もいるに違いないのだ。


かつおたたき 先日、裁判を傍聴する機会があった。男が公務執行妨害の罪で訴えられた事案。30代後半の男が被告人。警察官に一時停止違反を注意されカッとなって胸ぐらをつかんだと言うもの。そこに証人として登場して来たのがその被告人の父親。彼は訴えた。

「息子はもうしないと言っているので許して下さい」
幼稚園時代ならいざ知らず、30代も後半に入った息子の弁護のためにこんなセリフを吐かねばならないのだから。彼は後悔しているはずだ。

息子がもっと幼い時にカツオに接する波平のように何故もっと正面から息子と向き合わなかったのか、何故もっと叱らなかったかと。父親は心底疲れているように見えた。


かつお刺身さて、カツオである。実はたいそう高齢者に優しい食材なのだ。
管理栄養士の徳田泰子先生はこう解説する。「高たんぱくで低カロリー。ビタミン豊富でEPAという脂肪酸を含み、血液をサラサラにしてくれます。また脳を活性化するDHAも豊富に含むのですから」と。

結局裁判は途中で抜け出してきたので、その後は知らない。
ただ早く親子揃って、カツオの刺身や叩きで一杯飲める時が来ればいいのにと思った。もう一度親子をやり直せばよいのにと思った。本当に。心から。(ByKUNI61)

 

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