旬感食材

毎月2回、旬の食材を取り上げて
ちょこっとしたうんちくをご紹介。

●第27回 「芋とお婆ちゃんと」

この件に関しては自信を持って断言できる。
芋

「ボクはおばあちゃん子です」と。
小学校の高学年になっても祖母の寝る布団の中に潜り込んでいた。
当時はもちろん自宅にエアコンなどはなく、夏になると祖母は横に寝るボクをゆっくりと団扇で扇いでくれた。

しかし、祖母が先に眠ってしまうとその手が止まる。ボクは祖母の方を振り返り団扇を持つ祖母の手を揺らす。すると、またゆっくりと扇ぎ始めてくれた。
そんなことを繰り返しているうちにボクも眠っていた。
祖母は本当にボクに甘かったと思う。

芋今、考えると実に可笑しいが、小腹がすいたと祖母に訴えると、祖母はよく「ビオフェルミン」をくれた。
お腹に良いから」と言うのがその理由だったと思う。
そして秋になると、おやつに焼き芋がよく出た。

しかし、祖母の手から渡される焼き芋には、必ずバターが塗られていた。
バターは焼き芋の温かさでみるみる溶けていった。
祖母は「早くかぶりなさい」と言った。

しかし、焼き芋は子供には熱く、ボクは芋をかぶる度に口を開けて湯気を吐いた。
その湯気にもバターの香りがした。そんなボクを見て、祖母は笑っていた。

それにしてもサツマイモは、子どもにうってつけの食材である。

90円管理栄養士の徳田泰子先生はこう解説する。

「なんといっても栄養豊富です!中でもビタミンCが豊富。通常ビタミンCは熱に弱いのですが、サツマイモの場合はでんぷん質に守られていることから比較的壊れにくいのです。またミネラルのカリウムが体内のナトリウム調整し血圧調整にも役立ちます。そして食物繊維が多いので、便秘がちな方にはぜひともお薦めしたい食材です」とのこと。
なるほど、子どもに焼き芋のおやつは理にかなっている。そこにバターを添えればもう完璧だろう。

ところで、二八蕎麦と言う言葉をご存知か。
「2×8=16」の一食16文だったことから、この名が付いたそうだ。

ならば、一文は今の貨幣価値で言えば30円程度。
なぜ、そんなことを考えたかと言えば「おばあちゃん子は三文安い」と言う諺があるからだ。
年寄りに甘やかされて育った子どもはひ弱で値打ちが下がると言う意味らしい。
一文を30円で計算すれば90円安。大したことはない。もう十分「元は取った」と思う。
(ByエッセイシストKUNI61)

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