旬感食材

毎月1回、旬の食材を取り上げて
ちょこっとしたうんちくをご紹介。

●第45回 「ちょっと旬じゃないけれど・・・」

鬼灯 から今回の旬感食材のテーマは「鬼灯(ほおずき)」です。
「鬼灯は実も葉もからも紅葉かな」と芭蕉が読むように、秋の季語流石に少し旬とは言えません。
加えて、そもそも「食材か?」と言う疑問もあります。
では、何故、今回取り上げたのか。
もちろん、そこには訳があります。
まず、二つ目の疑問からお答えしましょう。
確かに、鬼灯は観賞用のイメージがあります。7月に東京は浅草寺で開かれる「ほおずき市」は有名。毎年大勢の愛好家たちで賑わいます。これら観賞用の鬼灯には毒性や苦みがあり食用にはなりません。
しかし、ヨーロッパでは古くから食用として栽培され、近年日本でも、その食用鬼灯の栽培が各地で行われ始めたのです。
そして、その食用の鬼灯が、ボクのところにも届いた。
それも、ボクの元先輩からです。
彼は、優秀なジャーナリストだったにもかかわらず
一念発起して55歳で退職し、この食用鬼灯栽培を始めたのです。

鬼灯 実55歳にして、駆け出しの新人ファーマー。
食材も作者もともに「旬」からは少し外れている。
それならば、マイナス×マイナスはプラスじゃないかと、今回はこの食用鬼灯を旬の食材にと決めたのです。
しかし栄養的には、なかなか旬の食材と言えそうです。

管理栄養士の徳田泰子先生はこう解説します。
「イノシトールというビタミンB群の一種が多く含まれています。
イノシトールは、肝臓の機能を活発にすることから、飲酒の機会が増えるこの季節には、ピッタリの食材と言えるでしょう。実際、脂肪肝や動脈硬化を予防するという報告がされています。また、小さな粒のわりに鉄分、葉酸も多く含まれ鉄分不足が気になる女性にはお奨めの食材と言えそうですね」

鬼灯ふむふむ、女性に殊の外優しかった先輩が選んだ食材だけのことはあるぞ。
さらに、徳田先生はこうアドバイスをします。
「硬い実のときは料理の食材として使用し、やや熟すとスイーツとして、さらに完全に熟すとフルーツとしていただく。1粒で3度美味しさを味わえます」とのこと。

凄いぞ鬼灯、やるなぁ鬼灯。
しかし、55歳の新人ファーマーと言うのもいいですよね。
安藤百福は48歳でチキンラーメンを作った。
伊能忠敬は55歳で『大日本沿海輿地全図』の測量を始めた。
徳川家康がようやく征夷大将軍になったのは61歳のとき。
たとえ貴方の目の前が暗い闇に覆われていたとしても、
掲げましょう、この鬼灯を。
きっと貴方の進むべき道を照らしてくれる灯りとなるはずだから。

(参考:原村いっちゃん農園http://itchanfarm.com/

(ByエッセイシストKUNI61)


記事一覧へ