旬感食材

毎月1回、旬の食材を取り上げて
ちょこっとしたうんちくをご紹介。

●第46回 「母の“芽”」

クワイ 「磁姑」
これ、読めますか?

もちろん、ある食材の名前。別名は「燕尾草」(エンビソウ)。
確かに、特徴的なその芽は燕の尻尾にも見えますね。答えは、
そう、「クワイ」。
「芽が出る」と古くから縁起の良い食べ物とされ、きっと皆さんのご家庭のお節料理にも入っていたことでしょう。
「磁姑」と言う漢字がついたのも、その見た目から。
この「クワイ」は水田で栽培されていますが、一つの根にたくさんの子どもがくっついているような姿が、子供を慈しみつつ、お乳をあげる母親(姑)のように見えることからこの漢字があてられたと言われています。
そっか、クワイは母なのか。でも、現代の母じゃないな。
昭和の母。それも随分前の昭和の母の感じがします。年老いた母。

そう言えば、昨年末から、今年にかけて、我が母は大変でした。
黄疸が出て12月の上旬に緊急入院。
そのままなら、あと1〜2週間の命だったと医師に言われました。
しかし、素早い対応と的確な処置のおかげで一命をとりとめ、
クリスマスも大晦日もお正月も病院で過ごし、1月も半ばを過ぎてようやく退院することが出来ました。
けれど、母の身体は一回りも二回りも小さくなった感じがします。
肌もカザカサに乾燥しているし。
齢80歳ともなれば致し方ないのかな。思わず手をさすりました。
この手がボクを育ててくれた手。
あぁ、もうシワクチャだよね。
もう少し、あと暫く親孝行をさせて下さい。退院後は母を自宅に引き取り、これで少しようやく落ち着いた感じ。
今年の我が家の芽も、クワイのように、ようやく伸び始めたかな。

クワイ3このクワイ、そんな母にはもってこいの食材のようです。

管理栄養士の徳田泰子先生は、こう解説されます。
「クワイには皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素ナイアシンというビタミンB群が含まれているので、お肌の乾燥しやすいこの季節に採りたい食材ですね。また、造血に必要な葉酸も多く含まれているので女性におすすめな食材とも言えると思います」

しかしこのクワイ、美味しいかと言えば、即答しづらい気がしますホッコリとはしているものの、苦味がある。それもまた、母親に似ているかもと思った次第です。

(ByエッセイシストKUNI61)


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